🆘 もし今、危険を感じたら
- 警察への通報 :110番(昼夜問わず対応)
- DV相談窓口 :配偶者暴力支援センター(夜間休日対応あり)
- よりそいホットライン :0120-279-556(24時間無料)
このガイドは、DV・虐待・別居中の方がマイナンバーカードを安全に管理し、パートナーによる無断使用を防ぎ、自分の情報を守るための具体的な手段を提供します。
1. DV・虐待とマイナンバーカード:何が問題なのか
DV(ドメスティック・バイオレンス)や虐待の文脈で、マイナンバーカードは以下の理由で特に問題になります:
マイナンバーカードが悪用される主なケース
| 悪用方法 | どのような被害が起きるか | 対応方法 |
|---|---|---|
| 身分証としての悪用 | カード所有者になりすまして銀行口座開設、ローン申し込み、クレジットカード取得 | カード自体の預かり、または紛失届提出 |
| マイナポータルへの不正アクセス | 所得情報、医療情報、給付金申請状況などを無断で閲覧 | 暗証番号変更、追加認証設定、アクセスログ確認 |
| IC読み取りでの情報盗難 | スマートフォンのNFC機能でカード情報を無断で読み取られる | カードの保管場所管理、NFC読み取り防止シート使用 |
| カード自体の取り上げ | 身分証を失い、自由な行動が制限される、相談窓口への受診が困難に | 新規カード再交付、警察の支援措置(DV警察支援)制度の利用 |
2. マイナンバーカードを取り上げられた場合
相手がマイナンバーカードを持ってしまい、返してくれない、または紛失させた場合の対応方法です。
対応フロー
マイナンバーカードが「盗まれた」「不法領得」と扱われることで、公式記録に残ります
警察に「本人の安全上、相手に新しい住所を知られたくない」と伝え、「警察の支援措置(DV警察支援)」を申請
警察からの通知があれば、本人確認書類の簡略化や住所保護が可能
新しいカードには、相手が知らない暗証番号を設定
警察への届け出時に伝えるべきポイント
- 「マイナンバーカードが盗まれた」または「不法領得されている」と明言
- 「DV(ドメスティック・バイオレンス)状況下にある」と伝える
- 「本人の安全上、盗難届と警察の支援措置(DV警察支援)を同時に申請したい」と申し出る
- 必要に応じて、配偶者暴力支援センターまたは弁護士と同行を検討
- 警察が発行する「受理番号」などの書類を受け取り、市区町村窓口での申請時に活用
3. マイナポータルへの不正アクセスを防ぐ
マイナンバーカードを相手が持っていても、マイナポータルへのアクセスを防ぐことができます。これが最も重要な防御です。
ステップ1:暗証番号を絶対に知られない
- 現在の暗証番号を思い出す (4桁の数字の利用者証明用、または6~16文字の英数字の署名用)
- 相手に絶対に教えない 、誘導されても答えない
- スマートフォンのロック画面などに暗証番号を書き留めない
- 相手に「念のため聞かせておいて」と言われても、決して教えない
ステップ2:暗証番号が既に知られている場合
市区町村窓口またはコンビニのマルチコピー機で変更可能
マイナポータルログイン → 「アクセスログ」から、いつ誰がログインしたかを確認
アクセスログのスクリーンショットを撮影、別のデバイスに保存
不正アクセスの事実を報告し、法的なアドバイスを受ける
ステップ3:追加のセキュリティ対策
マイナポータル設定で利用できる追加認証
- 生体認証(顔認証)の追加設定
- アクセス通知の設定(ログインがあると通知される)
- 登録メールアドレスの確認・変更
- セッションタイムアウト時間の短縮
4. 別居中の住民票移動とプライバシー保護
別居する際に、マイナンバーカード側の住所をどう扱うかは、安全性とプライバシーに大きく影響します。
住民票移動の3つの選択肢
| 選択肢 | メリット | デメリット・リスク | 推奨される場合 |
|---|---|---|---|
| すぐに住民票を移す | 相手に新住所が知られない、給付金・医療サービスの手続きがスムーズ、身元確認が正確 | 転居届が公開書類なので、市役所の窓口で相手が査照すると知られる可能性 | DV案件で「警察の支援措置(DV警察支援)」が出ている場合、または相手との連絡を完全に断ちたい場合 |
| 別居から90日以内に住民票を移す | 元の住所での手続きが完了してから移動可能(銀行・保険など)、柔軟性がある | 90日以内に絶対に移す必要あり(期限後は罰金の可能性)、その間給付金申請に遅延の可能性 | 警察の支援措置(DV警察支援)がない場合、相手の追跡リスクが低い場合 |
| 転居届を出さない(隠匿) | 新住所が絶対に知られない | 違法(住民基本台帳法違反)、給付金申請が複雑に、医療サービスが受けられないリスク、身分証として無効 | 推奨されません。その場合は「警察の支援措置(DV警察支援)」制度を利用してください |
警察の支援措置(DV警察支援)制度を活用した住民票移動
警察がDVを認定した場合、本人の同意の下で市区町村に通知され、住民票の「支援措置」が取られます。この場合:
- 住民票の住所が実際の住所から分離される
- 配偶者や相手が住民票を査照しても、本来の住所が知られない
- マイナンバーカードも保護住所で記載される
- DV相談窓口の住所等で代替住所を設定可能
住民票移動時の手続き
5. 日常的なマイナンバーカード管理方法
DV・虐待環境下でのカード保管
- 相手に見つからない場所に保管 :金庫、鍵付きの引き出し、信頼できる親族に預ける
- スマートフォンの暗証番号は複雑に :生年月日や「1234」など簡単な番号は避ける
- マイナポータルのログイン履歴を定期確認 :不正アクセスがないか週1回程度チェック
- 別のスマートフォンを用意 :可能であれば、相手に見つからないスマートフォンでマイナポータルにアクセス
- NFC読み取り防止シートを使用 :スマートフォンのNFC機能で無断読み取りを防ぐ
相手がカードを持っている場合の対応
緊急性に応じた対応
- 直ちに危険がない場合 :「返してほしい」と明確に伝え、返してもらえるまで警察・DV相談窓口に相談しながら対応
- 返してもらえない場合 :警察に盗難届を出し、「紛失」として新規カード再交付を申請
- 相手が無断でカード情報を使っている形跡がある場合 :警察に「不正アクセス」として届け出、市区町村でカード無効化手続き
6. あなたの法的権利
マイナンバーカード関連の法的権利
| 権利 | 具体的な内容 | 行使方法 |
|---|---|---|
| 自己決定権 | マイナポータルへのアクセスは本人のみが可能。暗証番号を知られたからといって、相手にアクセスされるべきではない | 暗証番号を変更し、アクセス管理を自分で行う。不正アクセスがあれば警察に届け出る |
| プライバシー権 | マイナンバーカードの住所、給付金申請状況、医療情報などは本人のプライベート。配偶者といえど無断で知ってはいけない情報 | 警察の支援措置(DV警察支援)制度を利用し、住所を保護。不正アクセスを証拠付きで警察に届ける |
| 身分証所持権 | 配偶者がカードを取り上げることは違法。身分証を持つ権利は基本的人権 | 盗難届を出し、新規カード再交付を申請。相手による取り上げを警察に届け出る |
| 情報アクセス権 | マイナポータルで自分の情報にアクセスする権利。不正アクセスがあった場合、デジタル庁に申告する権利 | 不正アクセスのアクセスログを確認・保存。デジタル庁に申告し、調査を依頼 |
- 不正アクセス禁止法 :マイナポータルへの無断アクセスは違法
- 個人情報保護法 :個人情報を無断で閲覧することは違法
- 窃盗罪・器物損壊罪 :マイナンバーカードを不法領得・破壊することは違法
- 配偶者暴力防止法 :DV状況下での身分証取り上げは違法と認定される可能性
7. DV・虐待相談窓口と法的サポート
DV・虐待相談(24時間対応)
📞 よりそいホットライン
電話 :0120-279-556(24時間無料)
対応内容 :DV・虐待全般の相談、緊急時の避難先情報、相談窓口紹介
特徴 :多言語対応(15言語以上)
🏛️ 配偶者暴力支援センター
電話 :各都道府県に設置。お住まいの都道府県で検索
対応内容 :一時保護、法律相談、緊急サポート
利用条件 :配偶者からのDV被害者(婚外関係も対応)
🚔 警察への相談
緊急時 :110番
相談窓口 :各警察署の「相談コーナー」または「DV相談窓口」
対応内容 :盗難届、警察の支援措置(DV警察支援)申請、暴力・脅迫への対応
法的サポート
🏫 弁護士・法律家への相談
方法 :地域の弁護士会に相談(初回相談30分無料の場合が多い)
対応内容 :マイナンバーカード関連の法的問題、DV時の身分証取り上げ問題
マイナンバーカード関連の問い合わせ
8. よくある質問(FAQ)
1. マイナポータルのアクセスログをスクリーンショット撮影
2. 日時、ログイン時刻、アクセスされた情報を記録
3. 別のデバイス(USB、クラウドストレージ等)に保存
4. 日付・時刻が変わらないようメモを残す
この証拠は警察への届け出、または法的手続きで活用できます。
1. まず暗証番号を確認(覚えていれば、相手には知られていない可能性)
2. 可能であれば、カードを取り戻す(警察への盗難届を視野に)
3. 暗証番号が既に知られている場合は、ただちに変更
4. マイナポータルのアクセスログを確認し、不正アクセスがないか確認
5. 警察・DV相談窓口に相談
すぐに対応することで、被害を最小化できます。
1. 警察に「詐欺罪・個人情報悪用」として届け出
2. 銀行に本人確認を行い、勝手に開設された口座がないか確認
3. 信用情報機関(CIC等)に照会し、無断でのローン申し込みがないか確認
4. カード自体を「紛失」として新規再交付を申請
5. デジタル庁に不正利用について申告
これは重大な犯罪です。躊躇せずに警察に届けてください。
1. DV相談窓口・警察に「秘密裏に別居したい」と相談
2. 警察の保護下で新しい居所を用意
3. 警察の支援措置(DV警察支援)を出した上で、住民票を移動
4. 雇用先・学校など重要な機関には「DV保護中」と伝える
完全に秘密裏にすることは難しいですが、相談窓口を活用すれば、安全性を最大化できます。
• 信頼できる親族(親、兄弟姉妹など)に預ける
• 職場の施錠できるロッカーに保管
• 金庫に保管し、キーは別の場所に隠す
• 銀行の貴重品保管ボックスを利用
ただし、「相手に見つからない」よりも「警察の支援措置(DV警察支援)制度を利用して正規の保護を受ける」ことをお勧めします。相談窓口に相談してください。
• 離婚後の姓変更時にカード更新が必要
• 家庭裁判所への提出書類でマイナンバーが必要になる場合がある
• 相手による不正使用の証拠としてアクセスログが活用できる
• 離婚調停・訴訟での「DV証拠」として機能する可能性
弁護士に「マイナンバーカード関連の事項も含めた離婚手続き」を依頼してください。
• 配偶者暴力支援センターに「警察通知なし」で相談
• 市区町村での「支援措置申請」について相談(要件を確認)
• 弁護士に「警察通知なしでの離婚手続き」を相談
ただし、警察通知があると住所保護が確実になるため、検討をお勧めします。
DV被害者向け マイナンバーカード対応の完全ガイド
参照: 総務省 DV等支援措置、 松山市、品川区、 最高裁判所判例検索
1. マイナポータルの代理人設定を確認・解除する
重要:加害者がマイナポータルの代理人として登録されている場合、加害者はあなたの個人情報(所得、医療記録、給付金申請履歴など)を閲覧できます。以下の手順で確認・解除してください。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ①マイナポータルにログイン | マイナポータルログイン画面からあなた名義でログイン(マイナンバーカード、もしくは ID・パスワード) |
| ②代理人一覧を確認 | 「設定」→「代理人管理」→「代理人の一覧」をクリック |
| ③加害者を確認 | 代理人として登録されている人物(配偶者、パートナー、親など)の名前を確認 |
| ④代理人を解除 | 該当する代理人の横の「削除」ボタンをクリック。代理人の同意は不要です(本人だけの判断で解除可能) |
| ⑤完了 | 解除完了。今後、その代理人はあなたの情報を閲覧できません |
⚠️ 注意:マイナンバーカード一時停止後も、代理人設定は自動的に解除されません。必ずマイナポータルで手動で解除してください。
2. マイナンバーカードの一時停止(カードが加害者の手にある場合)
カードが加害者の手にある場合や、カード経由での詐欺的利用のおそれがある場合は、マイナンバーカードを一時停止できます。
| 対応方法 | 詳細 |
|---|---|
| ☎ 電話で一時停止申請 | マイナンバー総合フリーダイヤル:0120-95-0178 音声ガイダンス「2番」を選択し、一時停止を申し込む |
| 📱 マイナポータルから申請 | マイナポータルにログイン → 「マイナンバーカード管理」 → 「一時停止」 |
| 🏛️ 市区町村窓口で申請 | 本人確認書類(運転免許証など)を持って、住所地の市区町村マイナンバーカード窓口へ |
一時停止すると:
✓ オンライン申請(マイナポータル)が使えなくなる
✓ マイナ保険証として使えなくなる
✓ コンビニ交付が使えなくなる
✓ 電子証明書も同時に無効化される
✓ 加害者による詐欺的利用を防げる
※後で復活申請も可能です
3. DV・ストーカー等支援措置を申請する
住民基本台帳法のDV等支援措置により、加害者に住所を知られるのを防ぐことができます。
| 申請ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 相談機関に相談 | DV相談支援センター、警察、児童相談所などで DV 被害を相談。証明書や意見書を取得 |
| 2. 市区町村に申請 | 住所地の市区町村に「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出 |
| 3. 支援の確認 | 市区町村が支援の必要性を確認し、申出者に結果を連絡 |
| 4. 支援措置適用 | 確認通知日から 1 年間、支援措置が有効。期限 1 か月前から延長申請可 |
支援措置を受けると以下の制限がかかります
❌ 使用できなくなる機能:
- コンビニ交付(住民票・印鑑証明書などの取得)
- マイナ保険証としての利用
- マイナポータルで医療情報・薬剤情報の閲覧
- 特定健診・医療費通知情報の閲覧
✅ 対応方法:
- 市区町村窓口で直接住民票を取得(写真付き身分証で本人確認が厳格)
- 従来の保険証を使用
- 健康保険組合・市区町村に健康保険証利用停止を届け出
4. 各自治体の詳細情報
| 自治体 | 問い合わせ窓口 | 詳細情報 |
|---|---|---|
| 松山市 | 市民課 住民記録担当 | • マイナポータル代理人解除 • マイナンバーカード一時停止 • 住民票支援措置 • 健康保険証利用停止届 |
| 品川区 | 戸籍住民課 ☎ 03-5742-6660 デジタル推進課(マイナポータル)☎ 03-5742-6619 国保医療年金課(保険証)☎ 03-5742-6676 / 03-5742-6736 |
• DV・ストーカー等支援措置申請 • マイナポータル操作支援 • 保険証利用停止手続き • ジェンダー平等推進センター DV 相談☎ 03-5479-4104 |
| 全国共通 | マイナンバー総合フリーダイヤル ☎ 0120-95-0178(24時間) | マイナンバーカード一時停止、デジタル庁関連の全般相談 |
5. 個人情報保護とプライバシー権について(法律的背景)
マイナンバーカード・マイナポータルのプライバシー保護は、日本国憲法 13 条が保障する「個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由」に基づいています。
最高裁判所判例(平成 20 年 3 月 6 日大法廷判決)の要点:
住民基本台帳ネットワークによる個人情報の管理・利用は、法令に基づき正当な行政目的の範囲内で行われ、プライバシー権を侵害するものではありません。ただし、不当な目的での利用は禁止され、刑罰をもって処罰されます。
詳細は最高裁判所判例検索を参照
⚠️ 覚えておきたい重要ポイント:
• マイナポータルの代理人設定は、本人だけで解除できる
• 一時停止しても代理人設定は自動解除されない(手動で解除が必須)
• 支援措置を受けると一部機能が使用不可になる(安全のため)
• DV 被害者のプライバシー保護は法律で強く保護されている
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