シニア婚活で資産は「見せるべきか、隠すべきか」後悔しない正しい判断基準2026
60代、70代で新しいパートナーを探す「シニア婚活」。人生経験を重ね、ある程度の資産を持っている方が多いからこそ、「資産のことをどこまで相手に伝えるべきか」は大きな悩みどころです。「隠してトラブルになった」「見せたら詐欺に遭った」など、資産の扱いを間違えると後悔するケースが少なくありません。この記事では、警察庁が発表した最新の統計データや実際の被害事例をもとに、シニア婚活で資産を巡って起きているリアルなトラブルを紹介しながら、後悔しないための具体的な判断基準をお伝えします。
「シニア婚活で最も多いトラブルはお金・資産に関するものです。警察庁によると2025年の特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺の被害総額は3,241億円を超え、過去最悪を更新しました。資産の開示タイミングを間違えると、一生ものの後悔につながります。」
— 警察庁 令和7年犯罪情勢報告
【第1章】シニア婚活で資産を巡って起きている「3つのリアルなトラブル」
トラブル① 資産を「見せすぎて」騙された|ロマンス詐欺の実態
シニア婚活で最も警戒すべきは「ロマンス詐欺」です。警察庁の発表によれば、2025年1年間の特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺の被害総額は3,241.1億円(暫定値)に上り、前年の1.6倍に拡大。認知件数も42,900件と、いずれも過去最悪を大幅に更新しました。
特に深刻なのが、SNSやマッチングアプリを通じて親しくなり、金銭を騙し取る「SNS型ロマンス詐欺」です。警察庁のデータによると、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害総額は1,827.0億円に達しています。60歳以上の被害者は1,140人に上り、年齢を重ねるほど狙われやすい構造があります。
実際の被害事例として、金沢市の60代女性はSNSで知り合った自称英国人投資家から「高利回りの投資話がある」として、ついには1億1,100万円もの大金を騙し取られました。熊本県の60代男性も、同様の手口で1億1,000万円を騙し取られるという重大な被害が発生しています。
詐欺師は最初からお金の話をするわけではありません。「病気の治療費が必要」「ビザの取得費用」「空港での税金」など、緊急性の高い理由で少額から始まり、徐々に金額を大きくしていくのが特徴です。2025年には、AI技術を悪用したロマンス詐欺も急増しています。生成AIで相手を完璧に演じたり、ディープフェイク技術でビデオ通話でも別人になりすますケースが報告されています。
【2025年 特殊詐欺・SNS型ロマンス詐欺の被害実態(警察庁データ)】
| 項目 | データ |
|---|---|
| 詐欺全体の被害総額(暫定値) | 3,241.1億円(前年比+62.8%) |
| SNS型投資・ロマンス詐欺の被害総額 | 1,827.0億円(暫定値) |
| 特殊詐欺被害総額 | 1,414.2億円(暫定値・約2倍に増加) |
| SNS型詐欺の60歳以上被害者数 | 1,140人 |
| 認知件数(全体) | 42,900件(+11,620件、+37.1%) |
| ニセ警察詐欺被害総額 | 974.4億円 |
※出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」(暫定値)
トラブル② 資産を「隠しすぎて」結婚後に大喧嘩|借金・年金問題の発覚
一方で、自分の資産や借金の状況を隠したまま結婚し、後から発覚して関係が悪化するケースも多くあります。特にシニア世代の再婚では、以下のような問題が表面化しやすいです。
遺族年金の減額問題:元配偶者からの遺族年金を受け取っていた方が再婚すると、その年金は支給停止となります。月額で10万円以上の減収になるケースもあり、生活設計の大幅な見直しが必要になります。
相続トラブル:新しい配偶者とお子様の間で、相続分をめぐる争いが起こる可能性があります。シニア世代の場合、すでに一定の資産を持っている方が多く、「新しい配偶者には財産の半分を相続する権利(遺留分)」があります。そのため、子どもと新しい配偶者との間で争いが生じることがあります。
隠し借金の発覚:自分の借金やローンを隠したまま結婚すると、相手に大きな迷惑をかけるだけでなく、結婚生活そのものが破綻する原因になります。シニア婚活では、お互いの金銭感覚や負債の有無を事前に確認しておくことが極めて重要です。
[実際の相続トラブル事例]
「義父が一軒家(3千万円相当)と金融資産約5千万円を持っていた。遺言書を残さずに亡くなった場合、再婚相手の女性には財産の半分を相続する権利があり、子どもとの間で遺留分を巡る争いが勃発することも少なくありません。」
トラブル③ 資産を「巡って」子どもと対立|家族関係の悪化
シニアの再婚は、本人たちだけの問題ではありません。特に成人しているお子さんがいる場合、親の再婚に対して複雑な気持ちを抱くのは自然なことです。子どもからすると「親には幸せになってほしい」という気持ちと、「財産や介護のこと、新しい家族との関係に不安を感じる」という気持ちがせめぎ合います。
事前に子どもとしっかり話し合わずに再婚を決行すると、後々家族間の対立が深まることが少なくありません。特に持ち家やまとまった財産がある場合、子ども世代が感じる不安は大きくなりがちです。
【第2章】資産は「見せるべきか、隠すべきか」段階別の判断基準
結論から言うと、「最初から細かく見せる必要はないが、最終的には隠し続けるのもリスク」です。以下の段階別に、適切な開示レベルをわかりやすく解説します。
段階① 初期(プロフィール〜初対面):資産は「見せない」が鉄則
プロフィール欄に具体的な資産額を書くのは絶対にNGです。預貯金の額や不動産の有無を詳しく書くと、詐欺師の格好の標的になります。。この段階で伝えるべきは、「仕事をしているか」「年金で生活しているか」といった大まかな生活状況だけで十分です。
プロフィールで避けるべき情報:自宅住所、最寄り駅、電話番号、メールアドレス、勤務先、年金や貯金に関する情報、家族構成の詳細などは絶対に書き込まないでください。また、お金の話ばかりする相手には距離を置くようにしましょう。
段階② 交際初期(数回デート後):大まかな生活レベルを「自然に見せる」
何度か会ううちに、相手はあなたの「生活レベル」を自然と察知します。例えば「よく行くレストランの価格帯」「休日の過ごし方」「持ち物」などから、ある程度の経済力は伝わるものです。この段階では、あえて数字を言う必要はありません。
シニア婚活の場合、お互いの年金や貯蓄状況を早期に聞き出そうとする相手には注意が必要です。信頼関係ができる前から資産や年金の話ばかりする相手に対しては、慎重になった方が安心です。
段階③ 結婚を意識し始めたら:具体的な資産状況を「共有する」
結婚を真剣に考え始めた段階では、お互いの資産・負債・年金収入などを共有する必要があります。このとき、以下のポイントを守りましょう。
① 金額まで細かく教える必要はない:「預貯金の他に株や不動産があります」程度の大まかな共有で十分です。
② 相手が先に自分の資産を話すのが礼儀:一方的に自分の資産を話すのではなく、相手が自分の状況を開示してからそれに応じる形が望ましいです。
③ 借金やローンは必ず正直に伝える:マイナスの情報こそ、結婚前に必ず共有すべき事項です。
【婚活の段階別・資産開示の目安】
| 段階 | 開示レベル | 具体的な対応 |
|---|---|---|
| プロフィール作成初期 | ❌ ほぼ開示しない | 「現役勤務中」「年金生活」程度のみ。住所・電話番号は絶対に書かない |
| 初対面〜数回デート | △ 生活レベルを自然に見せる | 金額や数字は出さない。お金の話ばかりする相手は警戒 |
| 真剣交際開始 | ◯ 大まかに共有 | 「預貯金・不動産あり」程度。借金は正直に伝える |
| 婚約後 | ◎ 詳細を共有 | 今後の生活費分担・相続について具体的に話し合う |
【第3章】資産を守る!詐欺師の「危険サイン」と安全な婚活の進め方
詐欺師の共通する4つの危険サイン
以下の4つに該当する相手は、ロマンス詐欺の可能性を強く疑う必要があります。
危険サイン① すぐにLINEや外部のアプリに誘導する:マッチングアプリ内でのやり取りを嫌い、すぐに個人情報が漏れやすい外部ツールに移行しようとします。
危険サイン② 会おうとしない/理由をつけて会うのを先延ばしにする:何ヶ月も音声やメッセージだけでやり取りし、実際に会おうとしません。写真や身分証の提示を拒むのも危険信号です。
危険サイン③ お金の話を持ち出す(特に緊急性を強調する):「病気で入院費が必要」「ビザの取得費が足りない」「今だけ入金できる投資がある」など、緊急性を訴えてお金を要求してきます。
危険サイン④ プロフィールが不自然に完璧:高収入・高学歴・ハイスペックでありながら、なぜか婚活市場に長くいるのが不自然。写真がモデル級に美しすぎるのも疑うべきです。
初対面は「昼・人目のある場所」徹底
カフェや公共施設など、昼間の人が多い場所を選びましょう。個室・夜・車移動は絶対に避けます。
個人情報は段階的に
初対面では住所や詳しい資産状況を話す必要なし。信頼関係ができてから少しずつ。
「お金の話=撤退」のルールを持つ
お金や投資の話が出た瞬間に、その場で断る勇気を持ちましょう。
安全に婚活を進めるための3つの原則
原則① 相手の身元確認は徹底する:結婚相談所を利用する場合は、本人確認書類の提出が必須のところを選びましょう。マッチングアプリを使う場合は、公式の身分証明機能があるものを優先してください。
原則② 信頼できる第三者に相談する:交際が進展したら、家族や友人など信頼できる人に相手を紹介し、客観的な意見をもらいましょう。一人で決めずに、周りの目を入れることがトラブル防止につながります。
原則③ 違和感を感じたら「その場で決断しない」:話しづらい、不安を感じる、価値観が合わないと感じた場合でも、その場で答えを出す必要はありません。警察庁からも「少しでも不審に思ったら、すぐに警察相談専用電話#9110に相談すること」が呼びかけられています。
【第4章】家族を味方につける!円滑な再婚のための準備
子どもへの伝え方|「タイミング」と「伝え方」が鍵
子どもへの報告は、交際が安定した頃に行うのがベストです。あまりに早い段階で伝えると、子どもの不安や反発を招きやすくなります。お互いの価値観や将来設計がある程度合っていると感じられるようになってから、子どもに紹介するようにしましょう。
具体的な伝え方のポイント:
① いきなり「結婚する」ではなく「大切な人ができた」から始める:突然の結婚報告は子どもに衝撃を与えます。まずは交際している人がいることを伝え、徐々に関係を深めていくのがスムーズです。
② 子どもの立場や気持ちを理解する:「親には幸せになってほしい」と同時に、「これまでの家族の形が変わることへの不安」を持っていることを理解した上で話し合いましょう。
③ 住まいや相続について早めに整理する:再婚や同居の話が具体的になったら、住まいと相続について早めに整理しておくと、後から揉めにくくなります。
将来のための「お金の準備」|相続トラブルを防ぐ3つのステップ
シニア婚活では、結婚後の相続問題を事前に話し合っておくことが極めて重要です。以下の3つのステップを押さえておきましょう。
ステップ1:「財産の棚卸し」と「結婚後の資産の方針」を明確にする:自分がどれだけの資産を持っているのか、結婚後はどのように管理していくのかを明確にしておきます。
ステップ2:遺言書の作成:遺言書を作成することで、自分の財産を誰にどのように残したいかを法的に明確にできます。「結婚契約書に『互いに遺産相続しません』と書いても無効」になるため、必ず公正証書遺言などの正式な方法で残す必要があります。これにより、新しい配偶者と子どもの間での相続争いを防ぐことができます。
ステップ3:家族信託(民事信託)の検討:認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、家族信託を活用する方法もあります。専門家(FPや弁護士)に相談しながら進めましょう。
[まとめ:後悔しないシニア婚活のために]
シニア婚活で資産の「見せる・隠す」に完璧な正解はありません。しかし、以下のポイントを押さえれば、リスクを最小限に抑えながら安心して婚活を進められます。
初期は資産を見せない(プロフィールに具体的な数字や住所は絶対にNG)
お金の話が出たら警戒(詐欺師の危険サインを見逃さない)
結婚前提になったら共有(大まかな資産状況と借金の有無は必ず)
子どもには適切なタイミングで(いきなり結婚報告は避ける)
相続対策は事前に(遺言書や家族信託の検討を)
人生の後半で新しいパートナーと出会うことは、とても素晴らしいことです。警察庁の最新データを参考に、正しい知識と準備をもって、後悔のないシニア婚活を進めてください。不安に感じたときは、躊躇せずに警察相談専用電話#9110や結婚相談所のカウンセラーに相談しましょう。

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