シニア・障害者手帳持ちの賃貸探しで断られる…諦める前に試すべき「借りるための戦略」

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シニアが賃貸で断られる理由と障害者手帳の活用法|入居支援制度2026

シニアが賃貸で断られる本当の理由と「障害者手帳」でできる対策2026

70代、80代になっても「自分の近くで暮らしたい」「バリアフリーの部屋に引っ越したい」と思うのは自然なことです。しかし、いざ賃貸物件を探し始めると、「年齢を理由に入居を断られた」「障害者手帳を持っているから貸せません」と言われた――そんな経験をするシニアは少なくありません。

実は2025年10月1日に「改正住宅セーフティネット法」が施行され、高齢者や障害者の入居を後押しする新しいルールが始まっています。また、精神障害者保健福祉手帳などの障害者手帳は「入居を不利にするもの」ではなく「使える権利」です。この記事では、事実に基づいたデータと具体的な制度をもとに、「断られない賃貸探し」の方法をわかりやすく解説します。

「高齢や障害を理由に賃貸住宅の入居を断ることは、法律上の『不当な差別』にあたる場合があります。しかし現実にはいまだに多くの拒否があります。大切なのは、使える制度を知り、相談できる窓口に頼ることです。」

— 住宅セーフティネット制度・居住支援関係者

【第1章】なぜシニアや障害者は賃貸を断られるのか? 「5つの壁」のリアル

壁① 年金だけでは「安定した収入」と見なされない

大家や管理会社が最も気にするのは「家賃を毎月滞りなく払えるか」です。シニアの主な収入は年金ですが、賃貸経営の視点では「年金だけでは収入が不安定」と判断されることがあります。

実際に2025年秋、北海道札幌市の68歳男性は「年金収入だけでは借りられるアパートが見つからない」と頭を抱えていました。このような悩みは決して珍しくありません。

壁② 「孤独死」「残置物」「認知症」への不安

大家が高齢者の入居をためらう最大の理由は「孤独死」への不安です。国土交通省の調査では、高齢者の賃貸入居に対して拒否感を示す賃貸経営者が約7割に上り、そのうち約90%が「孤独死や室内での死亡事故」を不安視しています。また、死亡後に残された家財(残置物)の処理費用や、認知症によるトラブルも大きな懸念材料です。

【賃貸経営者の高齢者入居に対する不安(複数回答)】

不安の内容割合
孤独死・室内死亡事故約90%
親族や身元保証人がいない約60%
認知症状による問題行動調査対象の多く
残置物処理の負担約50%

壁③ 「障害=トラブル」という偏見

精神障害者保健福祉手帳の交付数はこの10年で約2倍に増えています。精神科に通う患者さんは約600万人とも言われ、とても身近な存在です。しかし、「精神障害があると部屋を壊すのではないか」「近隣トラブルを起こすのではないか」といった偏見から、手帳を持っているだけで入居を断られるケースが後を絶ちません。

壁④ シニアの部屋探しは年々難しくなっている(調査結果)

「高齢者の住宅難民問題に関する実態調査2025」によると、65歳以降の部屋探しで「苦労した」と答えた人の割合は、6年以上前は37.8%だったのに対し、直近1年以内では61.2%にまで上昇しています。また、年齢を理由に直接入居を断られた経験がある人は30.4%もいます。この数字からも、シニアの賃貸探しの困難さがわかります。

壁⑤ 連帯保証人がいない → 入門審査に通らない悪循環

シニアの入居審査で特に問題になるのが「連帯保証人」の不在です。子どもと絶縁している、子どもが経済的に保証人になれない、あるいは身寄りがない――そんな理由で部屋を借りられない人が大勢います。

しかし2026年現在、賃貸契約の約8割以上で「保証会社」の利用が一般的になっており、連帯保証人がいなくても契約できます。この事実を知らないために「保証人がいないから諦める」のは大きな損失です。

[実際の声:68歳男性]

「年金収入だけでは借りられるアパートが見つからなかった。どうすればいいのか途方に暮れた。」(2025年秋、札幌市西区のアパートに入居した男性の体験談)

【第2章】障害者手帳を「武器」に変える! 入居審査をスムーズにする方法

① 精神障害者手帳も「住宅確保要配慮者」として守られている

住宅セーフティネット法では、「住宅確保要配慮者」に高齢者、低額所得者、障害者(身体・精神・知的)などが含まれます。法律上、「障害があること」だけを理由に入居を拒否することは不当な差別的取り扱いとされています。

とはいえ、実際に精神障害者手帳を持っていると断られる事例はまだ多くあります。そんな時は、居住支援法人や自治体の相談窓口に「障害を理由に断られた」と伝えることが重要です。専門の支援者が大家さんと交渉してくれるケースがあります。

② セーフティネット住宅(登録住宅)を探す

「セーフティネット住宅」とは、「住宅確保要配慮者の入居を拒まない」と都道府県などに登録された賃貸住宅です。この物件であれば、障害者手帳を持っていることを理由に入居を断られるリスクがぐっと減ります。

検索は国土交通省の「セーフティネット住宅情報提供システム」で可能です。また、お住まいの市区町村の住宅課や居住支援協議会に問い合わせれば、リストを入手できます。

【障害者手帳所持者が使える主な住宅支援】

支援制度内容2026年のポイント
セーフティネット住宅入居を拒まない賃貸住宅として登録全国で登録数拡大。自治体の窓口で検索可能
居住サポート住宅安否確認・見守り・福祉連携がセット2025年10月スタート。全国で認定が進む
居住支援法人による相談物件紹介・家賃保証・生活相談全国に1,000以上の法人が活動

③ 居住支援法人を頼る ― 「不動産屋で断られた」その後

居住支援法人とは、都道府県が指定する「住宅確保要配慮者の住まい探しを専門に支援する団体」です。NPOや社会福祉法人などが指定されており、全国で1,000以上あります。

支援内容は「賃貸物件の紹介」「家賃債務保証」「入居後の見守りや生活相談」などです。居住支援法人が間に入れば、「精神障害があるから貸せません」と言われても、専門的な立場から大家さんと交渉してもらえます。

「体の不自由な母を呼び寄せようと不動産屋に行ったら、『高齢者お断りの物件がほとんどです』と言われてしまいました…。」
「それなら市区町村の『居住支援協議会』や『居住支援法人』に相談してみましょう。見守りサービスをセットにすれば、入居可能なケースが増えています。」

④ 障害者手帳と就労支援をセットで「安定収入」を証明する

入居審査では「安定した収入があるか」が重要です。障害者手帳を持っていても、就労移行支援や就労継続支援A型・B型を利用し、毎月工賃や給与を得ている実績があれば、審査で有利になります。手帳を「弱み」ではなく「支援を受けている証拠」として示すことが効果的です。

【第3章】2026年最新!「法改正×新サービス」で入居後の安心も手に入れる

① 2025年10月1日施行「改正住宅セーフティネット法」の3つの柱

この法律の正式名称は「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」です。2025年10月の改正では、大家の不安を解消するために次の3つが強化されました。

◉ 居住サポート住宅の創設

居住サポート住宅では、居住支援法人がICTを活用した1日1回の安否確認や、月1回程度の訪問見守りを行います。また、必要に応じてホームヘルプやデイサービスなどの福祉サービスにつなぐサポートも受けられます。

これにより大家さんは「孤独死リスク」や「認知症トラブル」への不安が減り、シニアや障害者の入居に前向きになります。国土交通省は「今後10年間で居住サポート住宅を10万戸供給する」目標を掲げています。

2026年現在、すでに愛知県では社会福祉法人「共生福祉会」が賃貸マンション21戸を居住サポート住宅として認定するなど、全国で広がりを見せています。

◉ 残置物処理の委任が可能に

入居者が亡くなった後に残された家財を、居住支援法人などに処理を委任できる仕組みが整いました。大家さんの「残置物処理の負担」が減ったことで、高齢者の入居を拒否する理由が一つ少なくなりました。

◉ 認定家賃債務保証業者の義務づけ

認定保証業者は、居住サポート住宅に入居する要配慮者の家賃債務保証を原則として断れません。つまり、保証人がいなくても保証会社が保証してくれるため、シニアでも入居しやすくなっています。

② 見守りサービスの急増(前年同月比5倍)

高齢者向け見守りサービス「らくもり」の累計契約件数は2025年からの1年間で前年比5倍に急増しました。このサービスは室内にカメラやセンサーを設置せず、スマートメーター(電力メーター)のデータを活用するため、プライバシーを守りながら低コストで安否確認ができます。

大家さんにとっても「見守りサービスがついている=孤独死リスクが低い」と判断できるため、シニアの入居審査が通りやすくなります。実際に、見守りサービスを管理物件に標準で付ける管理会社が増えています。

③ 成年後見制度の活用で契約をスムーズに

認知症の症状が出始めている方や判断能力が不十分な高齢者が賃貸契約を結ぶ場合、成年後見制度を利用することが有効です。成年後見人が本人に代わって賃貸借契約を結んだり、家賃の支払い管理をしたりできます。これにより、「契約後にトラブルが起きるのでは」という大家の不安も軽減されます。

STEP 01

居住支援法人に相談する

市区町村の社会福祉協議会や住宅課で「居住支援法人」を紹介してもらう。

STEP 02

セーフティネット住宅 or 居住サポート住宅を探す

公式システムや自治体窓口で入居OKの物件をリストアップする。

STEP 03

見守りサービス+保証会社をセットで提案する

大家の不安を取り除くため、見守りサービス加入を条件に交渉してもらう。

[まとめ:シニア・障害者でも諦めない。2026年の賃貸事情は変わりつつある]

シニアや障害者が賃貸住宅を借りることは、まだ「簡単」ではありません。しかし、障害者手帳を正しく活用し、改正住宅セーフティネット法や居住サポート住宅といった新しい制度を知ることで、状況は確実に変えられます。
まずはお住まいの市区町村の「住宅課」や「居住支援協議会」、社会福祉協議会に相談してみてください。「高齢だから」「障害があるから」と一人で諦める前に、使える制度が必ずあります。

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の契約や法律判断を保証するものではありません。実際の契約は司法書士・弁護士・居住支援法人など専門家にご相談ください。

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